今度はテレワークの労務管理編です。
テレワークは従業員さんが関わるため、トラブル無く運用したいですね。
なのでどの点に気をつければいいか、順に見ていきましょう。
●労働条件の明示
就業の場所の明示が重要です。
テレワークを実施するのが自宅であれば自宅、あるいはサテライトオフィスの場合はその場所といったように、雇用契約書に就業の場所の明記が必要です。
就業の場所を労働者に任せて、本人の都合の良い場所で実施させる場合は「使用者が許可する場所」を追記して許可制にすれば、自由度が上がり会社も事前に確認することが出来ます。
●労働時間の適正な把握
テレワークは会社から離れて作業をするのですが、会社が労働時間を把握する必要があります。
最近では勤怠管理ツールが充実しているので、自社にあったものを導入して管理しておきましょう。
おススメはこちら!
・F-Chair+
勤怠管理はモチロン、作業画面を撮影して管理者に送信してくれるスグレモノです。
勤怠管理のみ出来るシステム、あるいは在席管理のみ出来るシステムといった感じで別々のシステムが多いですが、これは両方対応可能です。
ランダムに撮影なので、ある程度緊張感が保てます。
●中抜けについて
自宅でのテレワークはプライベートに近い場所のため、ちょっと中抜けして用事を済ませたい・・・といった場面が出てきます。
その場合は下記の二つのやり方があります。
①休憩と取り扱う
たとえば1時間中抜けしたら、就業を1時間遅らせる・・・は問題ありません。
例1)
9:00~17:00勤務、12:00~13:00休憩→実働7時間
↓
9:00~18:00勤務
12:00~13:00休憩
15:00~16:00中抜け(休憩)→実働7時間
②時間単位年休を活用する
年次有給休暇は時間単位が使えます。
例2)
9:00~17:00勤務、12:00~13:00休憩→実働7時間
↓
9:00~17:00勤務
12:00~13:00休憩
15:00~16:00中抜け(時間単位年休)→実働7時間
例1よりも上がる時間が早くなりますね。
ただ、時間単位年休を使う場合は労使協定が必要です。
1日単位、半日単位は労使協定無しでも使用可能です。
ちなみに、休憩時間の長さは労働基準法が適用されます。
実働6時間超は45分以上。
実働8時間超は1時間以上です。
6時間丁度は休憩無し、8時間丁度は45分でも大丈夫です。
●残業について
これも労働基準法通りです。
1日8時間、週40時間です。
1週間は就業規則に何も決まりが無ければ日曜日起算となります。
下記はよくある残業の例なので、ご注意ください。
日 お休み
月 実働8時間
火 実働8時間
水 実働8時間
木 実働8時間
金 実働8時間
土 実働8時間
1週間合計48時間で8時間オーバーです。
1日8時間だから残業はないと扱っている場合が多く、注意が必要です。
また、残業をする場合は36協定といった書類を作成し、労基署に届け出が必要となります。
●残業の自己申告について
会社側から見ると、従業員さんが勝手にテレワークをしてしまい、それによって残業となってしまわないかが心配になると思います。
対策として、残業は事前申告制にする方法があります。
どうしても残業が必要な場合は上長の許可をもらう・・・といった具合です。
例)
テレワーク勤務規程(時間外及び休日労働等)
第○条 在宅勤務者が時間外労働、休日労働及び深夜労働をする場合は所定の手続きを経て所属長の許可を受けなければならない。
2 時間外及び休日労働について必要な事項は就業規則第○条 の定めるところによる。
3 時間外、休日及び深夜の労働については、給与規程に基 づき、時間外勤務手当、休日勤務手当及び深夜勤務手当を 支給する。
・・・という感じで規程化しておけば、勝手な残業を防ぐことが出来ます。
また、下記の3つ全てに該当すれば残業と取り扱わなくて大丈夫です。
①上司から時間外労働の指示が出ていない。
②業務量が膨大で、残業必至・・・という訳でもない
③時間外の形跡が無い(時間外にメール送信などの形跡なし)
こうなってくると従業員さんの健康管理や労働実態把握をする必要度が高く、勤怠管理ツールは必須ですね。
さて、色々労務管理を見てきましたが、こういった取り組みはテレワークを導入する為だけではでなく、普段の労務管理を見直すことにもつながります。
積極的に導入を検討してみましょう。
合言葉は「スモールスタート」ですよ!