飲食店ではどんなケガがあるの?
<飲食店社長>
確かに労災が起こったらいろいろ大変だけど、労災が起きたなんて周りではあまり聞かないし、飲食店だったらそんなに労災って起こらないんじゃないの?
飲食店で起こりうる労災についてご紹介します。
① 切り傷
包丁やスライサーで食材を切っているときに手を切ってしまったり、洗い物をしているときに、皿などに紛れ込んだ刃物に気がつかず手を切ってしまうこともあります。また、割れたグラスを片付ける際に、破片で怪我をすることもあります。
② やけど
熱いものを盛り付ける際にこぼしたり、運ぶときに人と接触してしまったり、といったことがあげられます。また、オーブンを使用する際や揚げ物をする際にも、やけどの危険性があります。
③ ぎっくり腰
重いものを無理な体勢で持ち上げようとしてぎっくり腰になってしまうこともあります。ぎっくり腰は一度なると繰り返し起こることも多いため、注意が必要です。
④ 油で汚れた床で滑って転倒
揚げ物を調理する厨房は滑りやすく危険です。揚げ物を容器に盛り付けようとかがんだ際に、足が滑って転倒するケースもあります。床が油で汚れていたり、靴に滑り止めがついていないと事故が発生しやすくなります。
⑤ 圧力鍋など調理器具の落下
調理中に手を滑らせて、圧力鍋などの重い調理器具を足の上へ落としてしまうこともあります。鍋は非常に高温かつ重いため、やけどや足の指の骨折といったケガにつながります。
⑥ パワハラや長時間労働でうつ病を発症し自殺
精神疾患による労災の認定件数は年々増加しております。
単月100時間(複数月平均80時間)を超える残業をさせてしまうと、過労死認定基準を超えるので注意が必要です。
⑦ 雨の中をバイクで通勤中に滑って転倒
⑧ ヘルプのため、店舗から店舗に移動する途中で車に轢かれた
確かに包丁とか油とかは危ないかも。
それにお店の中の事故だけじゃなくて、通勤中やお店からお店の移動の事故のことまで考えてなかったなぁ。
これらの事故は、労災保険にきちんと加入していれば、国が保障してくれます。ただし、労災保険に加入していないと、これらの事故が起きた場合に保障する責任は事業主側にあります。そのため、重い事故が発生した場合や慰謝料を請求されてしまった場合などはかなり高額な負担となってしまうことが考えられます。
(※慰謝料は労災ではカバーされません)